【スマートエイジング】サーフィンと慢性腰痛についての考察

2020東京オリンピックの公式種目として初めて認定されたサーフィン。
それは海で行う競技ですが、だいたいどんなスポーツなのかは皆様も何となくイメージがわくのではないでしょうか。

私は趣味でサーフィンをしますが、しかしその後に腰の張りを感じたり、私のサーファーの友人も同様に腰の違和感を感じることがあると聞いていたため、日頃からのストレッチを勧めています。

そして先日、千葉県勝浦市で「競技スポーツとしてのサーフィンのスポーツ医科学」が開催され、この講演会に参加してきました。この講演会では、サーファーをよく診ておられる勝浦整形外科クリニックの稲田Drから「サーフィンと腰痛」についてのお話を聞けるとのことで、勝浦へのドライブがてらに楽しみにしておりました。

〇サーフィンによる慢性障害部位

やはり腰部が1位で約3割を占めていますね。次に肩、頸部と続きます。これはサーフィンの基本動作であるパドリングが影響しているものと思われます。このパドリングという海の上を移動する動作は、サーフィン動作の中で50%になります。パドリングはサーフボードの上で腹ばいになって、両腕で水をつかみながら漕ぐことで移動する動作です。この動作は腰部、背部、肩甲骨周囲、頸後部など背面の筋肉を主に使います。普段の日常生活ではあまり使わない筋肉なので、サーフィンの動作で主体に使うことにより筋疲労を起こしやすくなります。このために張りや痛みがでやすくなるのです。オーバーユースの状態です。

下図がパドリングです。この姿勢で腕を回す動作は日常ではないですよね。このため筋疲労しやすいのです。それが張りやこり、痛みにつながります。

下図をご覧ください。毎日サーフィンするプロサーファーは、他のスポーツ競技者と比較しても腰痛やヘルニアを発症する割合が少ないのです。サーフィンは決して腰椎の構造的変化をきたしやすいわけではないのです。

では、どうしてアマチュアサーファーは腰痛を起こしやすいのか。
これには2つの理由があると考えます。
1つは、アマチュアサーファーはプロに比べるとサーフィンする機会が少なく、筋肉の発達が少ないためにサーフィンすると筋疲労しやすい。
2つ目は、パドリング時にへそ周囲でサーフボードを抑え込み、そこに重心を置いてコントロールするために腰椎前傾への筋収縮が強く入りやすく、この状態で長時間のパドリングを行うために筋疲労を起こしやすい。
私はこの2つ目の要因で、腰痛を引き起こすことが多いと考えています。
では、どうすれば腰痛が減るのか。それは、パドリング動作の時にへそ周囲でのコントロールではなく、みぞおち~恥骨にかけて広範囲でボードをコントロールすることだと思います。すなわち点でなく面でコントロールする。この方が胸や腰を過剰に反ることも少なく、努力性の筋収縮も弱くなります。この時にできれば恥骨を腹側に少し引き上げるように腹筋を意識すると、さらに腰痛の軽減になります。

腰椎は構造上、過度の回旋や伸展のストレスには弱く、腰椎の点でのストレスを繰り返すことで構造上の破綻をきたしやすくなります。野球選手の腰痛などはその最たる例です。なので腰部を点でとらえるよりは、少し範囲を広げて胸椎も含めた面での運動に転換したほうがストレスは拡散され、腰痛の軽減につながります。

スポーツをあまりやらない一般の方にも、同様のことが言えます。日常生活である部位に集中してストレスがかかりやすい体の使い方になっていることが多く、それが慢性痛になることも多く見受けられます。

そしてこのような慢性痛の予防、改善にはピラティスという軽い運動が最適です。このピラティスは、世界各地で一般の方からアスリートまで取り組まれていて、正しい体の動き方をつかむことができる運動です。健康な体つくりには、単に筋トレで筋力を強くすればいいということではなく、ストレスが少ない体の動き方をしないと痛みがでたりケガしたりしやすくなるのです。

この無意識下での体の使い方を「モーターコントロール」といいます。このモーターコントロールを良い状態に導く運動がピラティスなのです。

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